gera

出版社からゲラ届く。小生の論文は第九章と...。
やはりプロなので、図表はきれいに写植されている。
図表の取り込みと編集は小生のようなへっぽこ研究者のPCでもできるものなのだろうか。

==========================

気になったのでメモ

国際経済システム全体の視点からみれば、新しい技術が相当程度開発途上国に流れなければ、今後の世界システムの基盤が崩れる可能性が高い。最近のアメリカの政策にみられるように、知的所有権をできるだけ厳格に理解し、その範囲を数学的手法や遺伝子構造にまで拡大しようとするのは、経常収支改善のためのあせりであって、国際経済システムの変化の動向に逆行するものだろうアメリカのみならず、たとえば日本としても新技術の途上国への支援には、積極的でなければならない。【中略】 技術移転は、技術指導や経営指導を含まなければ簡単に進まないことが多い。その意味で、技術指導や経営指導は重要な国際公共財である。しかしそれでもなお、学習の主体性は被援助側にある。技術移転の本質は、機会の開放であって、結果の移譲ではない

アジアばかりでなく、中南米においても、東ヨーロッパにおいても、そして中国やインドにおいても、産業活動が急激に拡大する可能性が高い。そうだとすれば、反産業化に関して論じた地球的環境汚染の危険もまた急激に高まる。そのときには、先進国からの投資や援助は、環境汚染防止の技術を組み入れたものであることが望ましい。そのような技術の下で作られたものでなければ、輸入禁止にするという政策(先進国間ではその前兆が現れている――たとえば米欧間の成長ホルモン問題にみられるように)も考えられるだろう。そのために先進国が負担するコストは大きなものになるだろうが、環境保全技術の移転は、後発国の産業化を援けることに加えて地球環境保全という外部効果をもち、二重の意味で国際公共財の意味を持っている。

村上泰亮『反古典の政治経済学 下』201-202

Stiglitzと近いなー。

============================

あうあうあー。
読んで読んで読みまくるのも、今週で終わりにしよう。

好評のお絵かきシリーズ