読書

たまっていた雑用を片付けたので、昨日は運動日として(そして筋肉痛)。

そして今日は読書日。とりあえず、ゼミ関係

坂井昭夫(1980)『公共経済学批判』中央経済社 第4章:公共経済学の2つの源流

厚生経済学の外部性理論と純経済学的財政理論の公共財理論を整理し、それぞれの問題点もまさに「カミソリ」のように鋭く指摘。

リンダール・モデルはヴィクセルの自発的一致をより明確化したものと言ってよかろうが、そこではヴィクセルによって重視されていた社会的意思決定のプロセスが外的与件として扱われるがために、理論は厳密化されてもかえって現実の制度的与件との関連が希薄になる結果となっている。また、彼のモデルにしたがえば、「貧困な人々は、公共財に対する需要が強いために、富裕な人びとより多くの負担を強いられる」事態とならざるをえない点も銘記すべきであろう。なお、そうした消極的な点を含んでいたにもかかわらず、リンダールの説が(したがって同説を含む純経済学的財政理論全体としてはなおのこと)官房学の伝統を継ぐドイツ財政学の国家主義に反対する点で、それなりに民主主義的な性格を帯びていたことは、正当に評価しなければなるまい。ドイツ財政学(実態は行政学経営学、経済学、政治学社会学等の雑然たる寄せ集め)の域を越えて財政学の科学性を高めようとしたその意図も、汲み取る必要がある。もっとも、新古典派理論の一部として財政理論を展開しようとする立場では、財政の権力的性格が交換関係のうちに解消されてしまい、「国家の経済」としての財政の独自性は明らかにされるべくもなかったのである(44)。


大沼あゆみ(2006)「絶滅のおそれのある野生生物保全の経済学」『環境科学会雑誌』19(6):573-585.
インポートバンの有効性かー、講義などのネタに。
ここら辺の議論は故D.ピアスを中心としたLSE関係グループが盛んにやってきたが、日本ではいまいち進展していない。

Elephants, Economics, and Ivory

Elephants, Economics, and Ivory



Economics and the Conservation of Global Biological Diversity: Working Paper number 2 (Global Environment Facility Working Paper)

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