読了(『遺伝子戦争』)

遺伝子戦争―世界の食糧を脅かしているのは誰か

遺伝子戦争―世界の食糧を脅かしているのは誰か

原題はGene Wars:The Politics of Biotechnology。
いままさに、「技術」は技術的な問題ではなく、政治的な問題となっている。
私自身は、その「政治」と「経済」の相互作用に注目して、「国際政治経済」だとみているが。
ともあれ、用語解説が豊富で、訳もこなれている。実態を把握するのに適した良書といえる。

ただ、例えばカルタヘナ議定書の交渉をめぐる利害構造など、もう少し突っ込んで議論してほしいところが多いという印象を受けた。
文献リストもないので、本書をステップに研究を進めるという流れに必ずしもなっていないのが残念である。


最近、新評論はいい本を作っている気がする。例えば↓

貧富・公正貿易・NGO―WTOに挑む国際NGOオックスファムの戦略

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