読了

国際レジームとガバナンス

国際レジームとガバナンス

昔から思っていたことだが、この人の文献調査能力は常軌を逸している。すさまじい水準である。
本書も大変勉強になったし、論文でも使えそうである。とくに、レジームの定義やフィードバック・メカニズムについてはそうである。
ただし、国際政治学のこの手の議論は、どうも肌に合わない。なんとなく、解釈論的印象を受けるからだろうか。

追記
コリアーは「産業の適切なバランス(≒キャッチアップ工業化論?)」かなと思った。だから一次産品の生産を続けるフェアトレードへの評価は限定的である(267)。この議論は正当だろうか。輸出の多様化が(少なくとも現段階では)できないという問題をどう考えているのか。WTOに「譲渡」を組み込むという提案も、まあ言ってしまえばUNCTAD以来脈々と続く議論であって、その実現可能性が問われている。