福祉

社会不安障害―社交恐怖の病理を解く (ちくま新書)

社会不安障害―社交恐怖の病理を解く (ちくま新書)

わかりやすくて好感をもった。3年B組の授業ぽいが、人間=人と人との間なので、脳と心の問題が引き起こすさまざまな弊害は、「社会」の文脈のなかで考える必要があろう。過度に自己責任を強調する理論は、現在大問題となっているこの種の問題にどのような処方箋を描くのだろうか。

新古典派経済学マルクス主義経済学も、どちらも労働=苦痛/余暇=快楽という労働観なので(たぶん古典派やマルクスは違う)、人が働けないという状況や、よりよく生きる(well-being)ためにはどうすればよいか、という「福祉」についての理論的パースペクティブを大きく欠いてきたように思われる。ここら辺に関係して、「人間」を理論化したアマルティア・センの貢献は大きいのであろう。

福祉の経済学―財と潜在能力

福祉の経済学―財と潜在能力