気候変動に関する国際連合枠組条約

第三条 原則

 締約国は、この条約の目的を達成し及びこの条約を実施するための措置をとるに当たり 、特に、次に掲げるところを指針とする。

1.  締約国は、衡平の原則に基づき、かつ、それぞれ共通に有しているが差異のある責任 及び各国の能力に従い、人類の現在及び将釆の世代のために気候系を保護すべきである。 したがって、先進締約国は、率先して気候変動及びその悪影響に対処すべきである。
2.  開発途上締約国(特に気候変動の悪影響を著しく受けやすいもの)及びこの条約によ って過重又は異常な負担を負うこととなる締約国(特に開発途上締約国)の個別のニーズ 及び特別な事情について十分な考慮が払われるべきである。
3.  締約国は、気候変動の原因を予測し、防止し又は最小限にするための予防措置をとる とともに、気候変動の悪影響を緩和すべきである。深刻な又は回復不可能な損害のおそれ がある場合には、科学的な確実性が十分にないことをもって、このような予防措置とるこ とを延期する理由とすべきではない。もっとも、気候変動に対処するための政策及び措置 は、可能な限り最小の費用によって地球的規模で利益がもたらされるように費用対効果の 大きいものとすることについても考慮を払うべきである。このため、これらの政策及び措 置は、社会経済状況の相違が考慮され、包括的なものであり、関連するすべての温室効果 ガスの発生源、吸収源及び貯蔵庫並びに適応のための措置を網羅し、かつ、経済のすべて の部門を含むべきである。気候変動に対処するための努力は、関心を有する締約国の協力 によっても行われ得る。
4.  締約国は、持続可能な開発を促進する権利及び責務を有する。気候変動に対処するた めの措置をとるためには経済開発が不可欠であることを考慮し、人に起因する変化から気 候系を保護するための政策及び措置については、各締約国の個別の事情に適合したものと し、各国の開発計画に組み入れるべきである。
5.  締約国は、すべての締約国(特に開発途上締約国)において持続可能な経済成長及び 開発をもたらし、もって締約国が一層気候変動の問題に対処することを可能にするような 協力的かつ開放的な国際経済体制の確立に向けて協力すべきである。気候変動に対処する ためにとられる措置(一方的なものを含む。)は、国際貿易における恣意的若しくは不当 な差別の手段又は偽装した制限となるべきではない。
http://www.env.go.jp/earth/cop3/kaigi/jouyaku.html