研究会・学会雑感

ちょっと一休み。

金・土と研究会と学会に出た。

金曜日の国際政治学の方の報告は、勉強になった。ただ、貿易の位置づけやブレトンウッズ体制の定義、主要概念の検討が不十分なことなど、いくつか問題が残ったように思われる。

ただ一番残念だったのは、「どうするのか」という政策論的な話がなかったことだ。経済史的なアプローチをとるにしても、具体的な政策課題にもっとひきつけた議論だと面白いのだが。


土曜日の学会は、かなりの伝統を有している。幾つか報告を聞いたが、個人的には、朝一で行われた大学院生の報告に対する、ある先生のコメントに痺れた。報告者の議論が整理され、論文の貢献を明示し、その上で明快な質問を投げかけている。

それにひきかえ幾つかの報告では、課題が明示されていなかったり、なにかとデータのせいにしたり、なんとも眠くなる報告が散見された。これでは討論が冴えるわけもない。

なお、今回の学会参加の主目的は友人の報告を聞くためであった。彼の報告は、堂々としたもので、内容がまとまっており、かつ現代の重要なテーマにメスを入れている。これらの点は高く評価できる。が、論文の位置づけと課題の設定の吟味、核となる部分の検証方法などに更なる改善の余地を残すであろうという感想を持った。まあそんなことはある意味関係ないわけで、なによりお疲れ様でしたと言いたい。